第10話) 西洋は胸、日本は足。

日本からオーストラリア社会に飛び込むと、流行というものが無いように感じられる。

一般に、流行に流されやすい日本人。人と違うものを身につけると疎外感ができて心地が良くない。周りの目が気になる。どこかのカテゴリーに自分が入っていないと不安。海外から日本を分析すると、そんな気がしてならない。

それに比べて、オーストラリア。 誰が何を身につけようが、お構いなし。自分の好きな色を身に付ければいいし、自分の好みを主張しても、誰も何も言わない。ピンクで統一された服やハットを身につけているお婆さんなんて、もう見慣れてしまったし、そんなので振り返っている自分が恥ずかしい。

男の子なんて、みんな短く刈り込んだ髪、短パンにTシャツ、そしてビーチサンダル。これ以上のオシャレをするとゲイに間違われてしまう。日本のメンズノンノやメンズヘアカタログをオージーの男の子に見せたら「おおお~、これって日本のゲイ・マガジンかい!」って興味深く見ていたのを思い出す(笑)日本の男の子が海外に出ると、ゲイに人気があるというのが理解できる。そのくらい日本人の男の子もオシャレなのである。

女性のメイクにしても、日本ではコンビニへ買い物を行くにも、きちんとお化粧をして出かける。しかし、こちらでは、ノーメイクで日焼け止めだけして外出なんて珍しくない。休日であれば間違いなくメイクアップなどしないでスッピンででかける。日本の感覚でメイクして髪の毛を巻いて、外にでれば「今日はパーティなの?」って声をかけられるであろう!

本当に、流行はないのか?って思ってしまうのだが、実は若い子の間ではキチンと流行がある。ただ日本のように周期は短くない。

髪の毛に関しては、 元々が細くて量が少なくクセ毛でウェーブがかかっているので、真っ直ぐにサラサラで量を多く見せたいという傾向がある。パーティの時などは、コテでクルクル巻いて、ゴージャスな髪にする事もあるけれど、やはりストレートアイロンで真っ直ぐに伸ばしたいらしい。

ファッションに関しては、胸を強調させるような服、ワンピースなどが絶対的な人気である。

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いくつかのブティックを回ってみました。どれも胸が強調されるようなデザインばかりです。

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これを日本人が着ると、どうもバランスがおかしいような気がします。何が違うのかは分からないのですが、何かが違うのでしょう。

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仕事柄、日本の女性ファッション雑誌も毎月のように送ってもらい見ていますが、ここで気付いた事は、「日本は足をきれいに見せる」ように意識し、「西洋は胸や背中をセクシーに」デザインされていると思います。