日経メディカルに、「グリオキシル酸使うヘアケアに急性腎障害リスク」についてという記事が流れて、日本国内の髪質改善トリートメントに警告を流しているが、
The New England Journal of Medicineに掲載されている原文を読むと、内容にズレがあるので指摘したい。
※ちなみに、僕が原文を読めるのは、妻が看護士で医療従事者であるため、全文を読むことができています。
海外では強い薬剤が認可される
この健康障害が起こると言われている不可解な点は、
①薬剤は頭皮につけずに毛髪だけに塗布するもので、経皮毒のような考えはおかしい。
②きちんと薬剤の名前の一部が出ていて、“Brazilian” hair-straightening procedure. (「ブラジリアン」ヘアーストレート プレセデューアー)
③グリオキシル酸が10%も入っている薬剤。日本の薬事法ではありえない含有量。
オーストラリアに住んでいた当時の2008年頃、ジンバブエ人の美容師さんと仲良くなって、ブラジリアン・ケラチン・トリートメントで、アフリカ人のアフロを真っ直ぐにできると聞き、トリートメントがそんな力はないのに、製品名はおかしくないか?という話しになり(笑)
そこで、内容成分を調べて、なぜトリートメントで髪がまっすぐになるのかをリサーチしたことがあった。
アメブロでも投稿していました。もう少し分かりやすく書いています。
↓
一昔前のブラジリアン・ケラチン・トリートメントは「ホルムアルデヒド」が入っていて、これが発がん性物質だということで、アメリカFDAからは発売禁止になったと記憶しています。
メーカーは改良を加えて、グリオキシル酸に辿り着いたと思います。
他の例
例えば、カラー剤に混ぜる過酸化水素水。日本国内では最高でも6%の過酸化水素水しか使えませんが
オーストラリアや他の国々では、12%を使えます。12%を使ってカラーをすれば、日本人の肌でしたら、頭皮がベロって剥がれるくらいの強い薬剤です。30%は皮膚がただれて火傷します。
施術における丁寧さも、日本人と海外では違います。
絶対に地肌に付けてはいけない薬剤は、丁寧に地肌に触らないように塗布しますが、海外では大雑把。
時々、日本人でも大雑把な人はいますが、絶対数が全く違います。
まとめ
〇そもそも、地肌に付けないものを、マウスの実験で皮膚に付けてというのはおかしい。
〇含有量が日本のものと全く違う。例えば水道水に含まれる塩素を、高濃度で飲んだら有毒で命を落とすでしょうし、同じ物質でも濃度によっては毒にもなるし良薬にもなる。
アフロヘアを真っ直ぐにできるぐらいのグリオキシル酸や他の薬剤の調合なので、日本のトリートメントの範囲での含有量とは全く違う。
僕は、グリオキシル酸は還元剤ではないが、若干の還元力はあるのではという認識です。
特に悪いものではないので、使っていて問題ないと思っています。
日本と海外ではあらゆる面で違いがあるので、全てを一括りにして警告を流すのは混乱を招くので慎重に報道してほしいです。
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