オーストラリアに来た当初は、当たり前だが誰も僕の事は知らない。普通に英語を勉強している語学学校生、日本から来た留学生である。 英語力はゼロに等しく、テキストの中で分からない単語は「殆ど全部」って感じだった。 銀行へ行っても「英語を話せる人を連れてきなさい」と怒られて口座開設してもらえず、悔しくて隣のライバル銀行へ行って開設した。 プリペイドの携帯電話を買うと、使用開始するには電話会社へ電話して、生年月日やパスポート番号などを知らせなくてはならないのだが、あまりにも僕の英語が通じないので 「ちょっと待ってて」 と言われ、そのまま受話器を机の上に置いたまま … [Read more...] about 第2話) 鋏と櫛だけでは世界で通用しない
コラム
第1話) ブリスベンで有名になる。
<2007年夏> 英語環境の中で仕事をする、外国人の中でたった一人の日本人が自分、これが5年前に掲げた目標だった。今、こうして全員がオーストラリア人、正確に言えば多国籍な英語人に囲まれている。 南アフリカ生まれでイギリス育ちのポールはサロンのオーナー。 オーストラリア生まれのフィオーナは受付と経理全般を行なう頭の切れるシングルマザー。 全国大会チャンピオンという経歴のアンソニーはコテコテのオージー訛りの英語を話す。食べ物の話をいつもしている。 アイルランド生まれでアメリカ育ちのスチュアート、世界で一番大きなヘアカラーの会社でインストラクターをして … [Read more...] about 第1話) ブリスベンで有名になる。
我、弱ければこそ。
人の出会いと言うのは、本当に不思議なものである。 このインターネットの時代、家に篭っていても出会いはある、日本なら携帯電話一個で世界と一つになれる。 それは自分が誰とでも出会える可能性がある、ということだ。 しかし、可能性があると言うだけで、憧れの人、理想の友人、語り合える仲間と実際に出会えるかどうか確立をはじき出すと、数十億分の一の可能性かもしれない。個々の職業やライフスタイルなどの条件から計算すれば、数兆分の一の確立かもしれない。 自分がコツコツと努力を重ねて、階段を一個一個のぼって行くと、その途中にはそれぞれのステージがある。やはり頑張っている人 … [Read more...] about 我、弱ければこそ。